肥前島原子ども狂言演目

肥前島原子ども狂言とは

島原ではずっと昔から、島原城で能と狂言が行われていました。
「島原子ども狂言ワークショップ」ではこの城下町・島原ならではの伝統文化をぜひ子どもたちにも伝えようと、江戸時代より島原に能と共に伝わった狂言を体験しながら、城下町ならではの歴史や文化を学び伝承していくために、和泉流狂言師・野村万禄さんの指導のもと、島原城を背景にした島原城薪能の舞台での発表を目標に、毎年稽古を重ねています。2007年の火山都市国際会議島原大会や、2012年のジオパーク国際ユネスコ会議の舞台では、世界各国から集まられた海外のお客様の前で、日本の素晴しい伝統芸能をご披露し大絶賛を浴びました。
2016年3月に「島原半島文化賞」を受賞し、それを機に「肥前島原子ども狂言」と正式名称を改めました。
島原の歴史と文化を受け継ぐ、島原っ子の晴れの舞台にご期待ください。

 

演目紹介

小舞「鶴亀の舞」
小舞「小山伏」
和泉流狂言「盆山」
小舞「掛川」
和泉流狂言「口真似」
小舞「兎」
和泉流狂言「蝸牛」
島原狂言「釣ろうよ」

 

和泉流狂言「盆山」

世間では盆山(日本庭園のミニチュア番)を集めるのが流行っていた。その盆山を欲しい男が知り合いの大金持ちの家に盗みに入る。しかし、庭が垣根で囲われていて進入出来ない。そこで男は、『のこぎり』を使い垣根を破り盆山を物色する。するとその物音に気付いた家の主人が見てみると盗人は顔見知りの男だった。そこで主人は男をからかうことにして、色々な動物の鳴き真似をさせる…。いったいどんな動物が登場してくるのでしょうか。
効果音や動物の鳴き声を演者の声だけで表現するところが見所です。

 

和泉流狂言「口真似」

主人から酒を共に楽しく飲む相手を連れて来るよう命じられた太郎冠者。
しかし、連れて来たのは酒癖が悪いと評判の男だったので叱られてしまう。
そこで主人は、丁重に帰って貰おうと太郎冠者に自分の言うとおりに行動して、余計な事はするなと言う。ところが、太郎冠者は主人の物真似をすればよいと勘違いしてしまい…。
後半の三人の軽妙な言葉のやりとりをご覧あれ。

 

和泉流狂言「蝸牛」

長旅で疲れた山伏が藪の中で寝て休んでいると、主人から祖父の寿命長遠の薬にする蝸牛(かたつむり)を取ってくるよう命じられた太郎冠者が、藪の中に入り蝸牛を探します。太郎冠者は寝ている山伏を見つけると、主人に教えてもらったその特徴にそっくりなので、山伏を起こして尋ねてみます。起こされた山伏は、太郎冠者をからかってやろうと蝸牛のふりをし、二人は囃子物(はやしもの)をしながら主人の家へ行くことにします。冠者の帰りが遅いので様子を見に来た主人は……。
囃子物とはリズミカルで独特な謡で、太郎冠者が「雨も風も吹かぬにでざかま打ち割ろ う」と囃すと、山伏が「でんでんむしむし、でんでんむしむし」と軽やかに舞を舞う楽しいものです。その昔、京都の子どもたちが蝸牛に向かって囃し立てた囃し詞であったことが古い書物(「日次(ひなみ)記事(きじ)」)にあります。

 

島原狂言「釣ろうよ」

昔から庶民により島原で語り継がれてきた狂言を原案に、島原のオリジナルの狂言として、島原城資料解説員の松尾卓次氏による脚本と和泉流狂言師野村万禄氏の演出により平成18年に創作される。
鯛は、淡紅色で、姿が美しく、また「めでたい」に通じるところから、縁起のよい魚とされ、祝膳に尾頭付きで用いられる魚です。
島原の九十九島沖はいい漁場で、鯛、がんば(フグ)など多くの魚がとれます。
目出度い鯛を釣りに行った太郎冠者は何を釣ってくるのでしょうか。
今年は、初代島原藩主松平忠房公入国350年をお祝し、歴史と文化を通じて、島原市のさらなる発展を祈念する「鯛つり」です。

 

講師のご紹介

野村万禄(能楽師 狂言方 和泉流)

1966年東京に生まれる。
故・野村万蔵(芸術院会員・人間国宝)の孫。
伯父の初世野村萬(人間国宝)に師事。
1990年東京芸術大学音楽学部邦楽科能楽専攻卒業。
2000年、二世野村万禄襲名。
野村万蔵家の別家を興す。
現在福岡在住。

国内外において数多く、九州各地に稽古場を開設。一般にも広く門戸を開き狂言の普及と発展に努めている。また、クラシックアンサンブルやピアノとの共演など幅広く活躍中。2004年より島原子ども狂言ワークショップの講師を務める。

社団法人能楽協会九州三役会所属。
重要無形文化財総合指定保持者。
平成二十二年度福岡県文化賞(奨励部門)受賞。