Sep 14, 2019

和泉流狂言「仏師(ぶっし)」の解説

▼登場人物
シテ(すっぱ)野村万禄
アド(田舎者)吉住 講
後見 吉良博靖

▼あらすじ
田舎に住むある男が一間四面の御堂を建てたので、本尊にする仏像を求めに都にやってきます。仏師(仏像を彫る人)がどこにいるか、またどういう人かも分からないため、男は「仏買おう、仏買いす」など大声で呼ばわって歩き仏師を探します。するとそこへ、すっぱ(さぎ師)が近づいて男に声をかけ、自分こそが真仏師だと嘘をつき、翌日までに仏像を作ると言います。約束の時間になり、男が仏像の受け渡し場所へ行くと、立派な仏像があるので、喜んだ男はさっそく仏像を拝みますが、どことなく印相が気に入りません。仏師を呼んで直してもらおうとしますが…

印相とは仏像の手指で示す印の形で、そのさまざまな形で誓願の内容などを象徴的に現したもの。また仏像を表現する時に狂言面「乙」が使われます。「乙」は女性の顔をした面ですが、狂言では不美人の相とされ、俗におたふく、おかめとも言われます。女性そのもののほか、鬼の姫の役や、キノコの姫茸の役で用いるなど、狂言面の中でも用途が広い代表的な面です。

 


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